
長崎県の中山間地の現状
中山間地域とは、平野の外縁部から山間地にかけての地域のことです。
山の多い日本では、このような中山間地域が
総土地面積の約7割、全国の耕地面積の約4割を占めています。
長崎県の販売農家の平均年齢は 64.9 歳
全国の 67.0 歳よりも若いものの高齢化は進んでいます。
2018年に行われた、県内の1,005集落を対象としたアンケート調査の結果、
「10年後、集落の維持が困難」という回答が72%
また、別の調査では、原因である高齢化や担い手不足に対して
どのような対策を講じているかという設問に対して
「具体的な対策を打てていない」という回答が98%
出典:長崎県農業経営課「長崎県集落営農推進方針」2021年7月
一般社団法人 農山漁村文化協会「季刊地域 2021 冬号 No.44」2021年1月
関係人口の創出を
集落は10年後への不安を強く感じているが、具体的に
何をすればいいのかわからない。
高齢化や担い手不足の課題解消は一朝一夕ではできない。
まずは、集落を知ってもらい、関わってくれる人(関係人口)を
増やし、集落の”ファン”を作っていくことが解決の近道です。
「どうせ誰も見ない自分の土地」
でも、集落にかかわる人が増えることで、
「人が来るなら農道をきれいにしておこうかな」
「遊休農地は見た目が悪いので、何か植えよう」
と少しずつ集落が元気を取り戻していきます。
出典:河本大地「農山村でのフィールドワークを通じた持続可能な 『関係人口』 づくりの実践」,経済地理学年報, 2019

中山間ボランティアのメリット
中山間地での活動のメリットは、
「社会貢献(CSR・SDGs)としての取組み・情報発信」
「社員の人材育成・チームビルディング」
「農村の人達との交流・第2のふるさとの発見」
「農業スキルの習得」
「メディア露出や広報活動への活用」
など様々ですが、
「日本の"国民的財産"である棚田の保全を行える。」
という事にも目を向けていただければと考えています。
中山間地域の棚田等では農産物の生産,供給を行なうだけではなく、
その外部効果として同時に国土の保全、自然環境の保全、農村景観の形成、
農村地域の維持や活性化など多くの機能を発揮している、”国民的財産”です。
少子高齢化が進む中で、貴重な生産年齢の若者を都市部に出し、
残った高齢者を中心に日本にとって欠かすことのできない
上記役割を担い、それを果たしてきました。
しかし、このままでは中山間地域が疲弊しきって
公益的機能が失われてしまう恐れがあります。
そこで、多くの方に中山間地域に興味を持ってもらい、
"国民的財産"である中山間地を
共に保全する支援をいただきたいと思います。
出典:日本学術会議「地球環境・人間生活にかかわる農業及び森林の多面的な機能の評価について(答申),2001
出村克彦「農業と環境-新たな農政目標-」会計検査研究 No26,2002
「棚田地域振興法」法律第四十二号(令元・六・一九)


中山間地域ボランティアの支援を
当センターでは、地域の農地や集落を守るための活動にご参加いただく方々を
「ボランティア」と位置づけています。
この「ボランティア」とは、対価を前提とした「労働」とは異なり、
金銭的な報酬を目的とせず、
自らの意志で社会や他者のために行動することを基本としています。
なので、マッチングの際には、
中山間地で活動を行う行為に価値を見出し、
ボランティア活動を通して得るものがあると考える参加者
×
自前では困難になった集落維持活動に協力してもらう事や
外部から人が入る事で活性化につながる集落
という形で、参加者と集落がwin-winになるように
マッチング、サポートを実施させていただきます。
集落との打合せなども当センターが仲介して、
事前打ち合わせ、顔合わせの有無等も希望に合わせて調整します。
出典:小野 晶子「有償ボランティアという働き方」労働政策研究・研修機構, 2005
『いわゆる有償ボランティアのボランティア性』(さわやか福祉財団, 2019)
中村 勇太朗「ボランティアの定義に関する労働論的アプローチ」和歌山大学観光学会,第24号,2021
ボランティア活動のメニュー

草刈りや鳥獣害防止柵の管理
集落の抱える課題の一つとして、集落維持活動の人手不足があります。鳥獣害防止柵の設置・管理、草が繁茂することでイノシシ等の隠れ場所になることから草刈り等も欠かせない活動になります。
ボランティアメニュー例
鳥獣害防止柵の設置・保守支援
朝8時~13時まで。
・鳥獣害防止柵の設置のための運搬作業
(軽トラから農地に柵を運ぶ)
・鳥獣害防止柵周辺をバリカンで草刈り
・鳥獣害防止柵に絡んだツタを剪定鋏で
カット

農作物の栽培支援
農家も繁忙期(農作物の植付や収穫等)には人手不足になります。機械化が進んでいない作物については特に支援を求める集落が多くなってきます。
企業や団体で耕作放棄地を開墾して新たな作物の栽培に挑戦なども。
ボランティアメニュー例
稲刈りの手伝い、掛け干し補助
朝8時~13時まで
・機械で刈り取れない稲を鎌で収穫作業
・刈り取った稲を束にして結ぶ
・集落が作った稲干竿に束にした稲を掛
けていく

集落の伝統行事支援
古くからある集落には、伝統芸能やお祭りが残っています。近年は集落の過疎・高齢化化により、運営が難しくなり、次第にその文化も受け継がれず、消滅の危機に瀕しています。運営補助やお祭りの盛り上げにもボランティアに期待が寄せられています。
ボランティアメニュー例
棚田まつり(火祭り)のお手伝い
16時~19時まで。
・会場等の設営のお手伝い
(販売物品などの陳列、棚田への電飾や灯篭の設置)
・集落の方と出店の運営、灯篭に火をつけて回る
・終了後、灯篭の回収、ごみ拾いなど

棚田オーナーへの参加
棚田オーナー制度とは、都市住民に直接耕作に関わってもらいながら棚田を保全していく取り組みです。
年会費を払って一定区画の水田を割り当てをうけ、その農地に地元農家の指導を受けながら田植え、草刈り、稲刈りなどの作業を行います。
収穫後には、収穫したお米がオーナーのものになるというものです。
ボランティアメニュー例
棚田オーナーへの参加
年間6回、基本9時~13時まで。
5月 水路掃除、種まき・苗づくり
6月 田植え
7月 草取り
10月上旬 稲刈り、掛け干し
10月中旬 稲降ろし、脱穀
11月 火祭り
受けられるサポート内容

1
集落との調整
「こんな活動をしたい」、「こんな要望がある」等を元に集落と調整を行い、ボランティア参加希望者と集落の間にセンターが入り、双方の意見を聞きながら、楽しくボランティアが実施できるように調整します。「これはやりたくない・やってほしくない」という要望もセンター側に伝えてもらう事で、良好な関係作りを目指します。
2
交通手段・保険について
企業・団体での参加の場合、事務所から活動地までの交通手段の確保及び支出をセンターで行います。
交通手段は、貸し切りバス、ジャンボタクシー、タクシー等です。(自家用車、船、飛行機は不可)
活動に係る傷害保険についても、当センターで加入、支出いたします。
3
当日一緒にお手伝い
中山間ボランティア当日は、ボランティア参加者と共に集落での共同作業に参加し、お手伝いいたします。
また、作業中の様子をドローン等を用いて動画撮影を行い、編集後にお渡しします。
活動終了後も企業や団体のHPで広報でき、振り返りの際にも利用いただけます。